天乙貴人てんおつきじん
意味と読み方
天乙貴人は、「困ったときに人の助けを得ること」を象徴する、四柱推命の代表的な吉星です。ここでいう星は空にある天体ではなく、生年月日の記号の組み合わせに付けた名前。古典では、とくに好ましい星として重んじられてきました。
今の暮らしに引き寄せれば、よい先生や相談相手に出会う、紹介や助言が次の機会につながる、といったイメージです。これは古典の吉意をわかりやすく言い換えたもので、誰かが必ず救ってくれるという約束ではありません。鑑定に出たら、人に相談できる関係や、助けを受け取る姿勢に目を向けるきっかけになります。
詳しく知る:成立条件・原典・解釈
意味
天乙貴人は、神殺のなかでも「三命中最吉之神(三命のなかで最も吉な神)」とされる代表的な吉星です。日干を基準に、命式のなかの特定の地支と照合して成立の有無を判定します。
原典での記述
三命通會「論天乙貴人」は、天乙貴人を甲戊庚日=丑未、乙己日=子申、丙丁日=亥酉、辛日=寅午、壬癸日=卯巳という対応表で示し、「三命中最吉之神」と位置づけます。一方で「貴人無気、雖有如無(貴人が無気であれば、あっても無いのと同じ)」「貴人嗔則凶来(貴人が怒れば凶が来る)」とも説き、条件次第で強め弱めが変わることを示します。昼夜による貴人の区分(子刻前後で分ける説)については、三命通會自体が「皆是臆説(すべて憶測にすぎない)」と否定的に述べており、原典自身が異説を退けている珍しい例です。
命式での見方
成立し強く働く例として、日干が甲であれば、命式の他の柱に丑または未があれば天乙貴人が成立します。この丑・未が生旺の状態で、冲・破・空亡が無ければ、原典どおりの強い吉意を持つとされます。逆に弱まる例として、同じ丑・未があっても、それが死絶の状態にあったり、他の柱から冲を受けていたりすれば、「あっても無いのと同じ」という原典の言葉どおりに弱い扱いになります。
成り立ちと歴史
天乙貴人の対応表は三命通會に明確に記されており、明代以前から広く知られていた神殺と考えられます。曹震圭系の異本には庚辛を合併して扱う説もありますが、三命通會・当サイトともに少数説として不採用としています。
よくある誤解
天乙貴人があれば必ず良いことが起きる、という理解は単純化しすぎとされます。原典自体が、条件によって「あっても無いのと同じ」になり得ると明記しています。
本サイトでの扱い
本サイトは三命通會の対応表に基づき、日干を基準に全柱の地支と照合します。昼夜貴区分や庚辛合併異本などの少数異説は不採用とし、生旺・冲破空亡の有無を強め弱めの条件として評価します。
流派による違いと、本サイトでの扱い
昼夜貴区分(原文が自己否定)・庚辛合併異本(少数異本)は不採用。
出典・参考文献
- 三命通会(明・万民英) 巻三 論天乙貴人
- 三命通會(明・萬民英) 論天乙貴人
- 三命通会(万民英) 巻三 論天乙貴人