十干

壬みずのえ

意味と読み方

壬は、海、川、大きな流れにたとえられる、陽の水の記号です。十干の九番目で、広がりのある水の象として説明されます。

たとえば日干が壬なら、水を生む金、水をせき止める土の位置を確認します。大河の比喩から、自由奔放かどうかを一字で決めるものではありません。

詳しく知る:成立条件・原典・解釈

意味

壬(みずのえ)は十干(甲乙丙丁戊己庚辛壬癸)の1つです。四柱推命では年干・月干・日干・時干のいずれかに現れる基本の文字で、五行は水、陰陽は陽(兄)に配されます。壬は十干の9番目で、五行は水、陰陽は陽にあたります。

原典での記述

後漢の班固が編纂した『漢書』律暦志には、十干それぞれの字義を続けて説明した一節「出甲於甲,奮軋於乙,明炳於丙,大盛於丁,豐楙於戊,理紀於己,斂更於庚,悉新於辛,懷任於壬,陳揆於癸」があります。この中で壬は「懷任於壬」と説明され、陽気が地中で万物を妊み養う(壬は妊に通じる)段階を表すと解釈されています。また、前漢の司馬遷『史記』律書にも近い趣旨の説明「言陽氣任養萬物於下也」があり、両書で共通する理解として確認できます。

五行と陰陽への配当

前漢の『淮南子』天文訓には「甲乙寅卯、木也。丙丁巳午、火也。戊己四季、土也。庚辛申酉、金也。壬癸亥子、水也」とあり、十干を五行に配当する早い時期の記述として確認できます。陰陽については、隋代の『五行大義』が五行ごとに十干を兄(陽)・弟(陰)の対として説明しており、壬は水の陽(兄)にあたります。

命式での見方

壬が四柱の天干に出ている場合、日干との五行・陰陽の関係(生む・生まれる・剋す・剋される・同じ)によって通変星が決まります。日干そのものが壬であれば、壬は比肩・劫財の基準そのものになります。

読み方

壬の訓読みは「みずのえ」です。日本の暦では、五行の兄(え)・弟(と)を「え」「と」と読み、水の兄(え)として五行名の後ろに続けて「みずのえ」と読みます。中国語の音読みでは壬は十干のうち9番目にあたります。

本サイトでの扱い

当サイトでは壬を含む十干すべてについて、五行・陰陽の配当を通変星・十二運・蔵干の計算に共通して用います。干支の組み合わせ(六十干支)の計算基盤として、他の九干と同じ規則で扱います。

流派による違いと、本サイトでの扱い

十干の字義は『漢書』など、五行や陰陽の対応は『淮南子』『五行大義』などに基づく伝統的な説明です。字の意味から本人の性格や運命がそのまま決まるわけではありません。

出典・参考文献