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真太陽時とは何か:日本国内でも時柱が変わる理由

運気・暦
日時計の影と太陽を描いた、真太陽時をイメージした挿絵

真太陽時とは、出生地でその日の太陽が真南に来る瞬間を正午とする時刻の数え方です。経度による時差(地方平均太陽時)と、地球の公転軌道に由来する均時差の両方を反映するため、日本国内であっても出生地と生まれた日によって、日本標準時の時計時刻とは数十分単位でずれることがあります。

四柱推命のしくみ全体は「四柱推命とは?」にまとめ、この記事では時柱に関わる時刻のずれを扱います。
四柱推命の時柱を決めるのは、2時間ごとの区切りです。生まれた時刻が区切りの境界に近いと、この数十分のずれによって、真太陽時では時計時刻の隣の刻に入れ替わることがあります。真太陽時と時計時刻が何によってどれだけずれるのか、実際の数値例で確かめましょう。

真太陽時と時計時刻(日本標準時)は何が違いますか?

日本標準時(JST)は、東経135度(兵庫県明石市を通る子午線)を基準にした時刻です。日本全国で一律にUTC+9時間と定められ、北海道の根室でも沖縄の那覇でも、時計の時刻は同じように進みます。

一方、真太陽時は「その場所で太陽が実際に真南に来る瞬間」を正午とする、場所ごとに異なる時刻です。地球は西から東へ自転しているため、経度が東にある場所ほど太陽が早く南中し、西にある場所ほど遅く南中します。さらに、地球の公転軌道は完全な円ではなく楕円で、地軸も傾いています。同じ場所でも太陽の南中時刻が季節によって前後するのは、このためです(後述する均時差)。

日本標準時は、「東経135度の地点における平均的な太陽の動き」を基準にした時刻です。そのため、東経135度から離れた場所ほど、また均時差が大きい時期に生まれた人ほど、真太陽時と時計時刻の差は大きくなります。

なぜ日本国内でも経度によって時刻がずれるのですか?

経度による時差:東経135度からの距離で時計とのずれが決まる
日本標準時の基準である東経135度(明石)から東西に離れるほど、地方平均太陽時が時計より早く・遅くなる。那覇は約29分遅く、根室は約42分早い。

地球は24時間で1回転(360度)するので、経度1度あたりの時差は次の式で求められます。

24時間 ÷ 360度 = 4分/度

つまり、東経135度の基準点から経度が1度東へずれるたびに、地方の太陽の動きは時計より4分早く進みます。1度西へずれるたびに、今度は4分遅くなります。

国土地理院の公表値によると、日本国内の主要地点の経度はおおよそ次のとおりです。いずれも都市の代表点で、市区町村内での多少の差は本記事では捨象しています。

地点 おおよその経度 東経135度との差 地方平均太陽時のずれ(時計より)
明石(兵庫県) 東経135.0度 0度 ±0分(日本標準時の基準点)
東京 東経139.7度 +4.7度 約+19分(早い)
根室(北海道) 東経145.6度 +10.6度 約+42分(早い)
那覇(沖縄県) 東経127.7度 -7.3度 約-29分(遅い)

この「経度による差」は、地球の公転軌道を円軌道と仮定したときの平均的な太陽の動き(地方平均太陽時)が基準です。実際の太陽の動きには、ここにもう一段のずれが加わります。それが次に説明する均時差です。

均時差とは何ですか?なぜ季節で変わるのですか?

地球の公転軌道はわずかに楕円形で、太陽に近い時期(1月上旬ごろ)は地球の公転速度が速く、遠い時期(7月上旬ごろ)は遅くなります。さらに地軸が公転面に対して傾いているため、実際の太陽(視太陽)が真南に来る時刻は、地方平均太陽時からずれます。このずれを均時差と呼び、1年のうちでおよそ−14分から+16分の範囲で変動します。

当サイトでは、日付ごとの均時差を秒単位で計算しています。計算は、国立天文台が公開している均時差の算出方法に沿い、NASA JPLのDE440天文暦のデータを使っています。2026年のいくつかの日付で実際に計算した均時差は、次のとおりです。

日付(2026年) 均時差(時計より視太陽が)
2月11日 約14分10秒 遅い
9月23日 約7分30秒 早い
11月3日 約16分27秒 早い(年間でほぼ最大)
12月25日 約8秒 早い(ほぼ0)

具体的にどれくらいずれるのか、計算例で確認する

真太陽時のずれ=経度による差+均時差(計算例)
那覇で2026年11月3日正午に生まれた場合、経度による差−29分12秒と均時差+16分27秒を合計すると、真太陽時は時計より約12分45秒遅い11時47分ごろになる。

真太陽時と時計時刻のずれは、「経度による差」と「均時差」を足し合わせたものです。2つの例で、実際に計算してみましょう。

例1:那覇(東経約127.7度)で2026年11月3日、時計時刻の正午(12時00分)に生まれた場合

  • 経度による差:(127.7 − 135) × 4分 = −29分12秒(時計より遅い)
  • 均時差(11月3日):+16分27秒(時計より早い)
  • 合計:−29分12秒 + 16分27秒 = −12分45秒
  • 真太陽時:12時00分 − 12分45秒 ≈ 11時47分ごろ

例2:根室(東経約145.6度)で2026年2月11日、時計時刻の正午(12時00分)に生まれた場合

  • 経度による差:(145.6 − 135) × 4分 = +42分24秒(時計より早い)
  • 均時差(2月11日):−14分10秒(時計より遅い)
  • 合計:+42分24秒 − 14分10秒 = +28分14秒
  • 真太陽時:12時00分 + 28分14秒 ≈ 12時28分ごろ

同じ「時計の正午」に生まれても、時計時刻との差は例1で約13分、例2で約28分になり、出生地と生まれた日によって大きく変わることが分かります。

「真太陽時」と「地方平均太陽時」は同じ意味ですか?

厳密には異なる概念です。時計時刻に経度による差(経度×4分/度)だけを足し引きしたものを「地方平均太陽時」と呼びます。地球の公転軌道の楕円形と地軸の傾きに由来する均時差を、これにさらに足し引きしたものが「真太陽時(視太陽時)」です。四柱推命の実務で単に「真太陽時」と言うときは、多くの場合、均時差まで含めた補正を指します。ただ、経度補正だけを「真太陽時」と呼んでいる資料もあります。当サイトが計算する「真太陽時」は、経度による差と均時差の両方を含めた値です。

国内の他の地点ではどれくらいずれますか?

東経135度との経度差だけを見た場合、国内の主要地点のずれ幅はおおよそ次のとおりです。経度は国土地理院公表値の概数で、地方平均太陽時のみを示しており、均時差は含みません。

地点 おおよその経度 地方平均太陽時のずれ
那覇(沖縄県) 東経127.7度 約-29分
鹿児島 東経130.6度 約-18分
福岡 東経130.4度 約-18分
明石(兵庫県) 東経135.0度 ±0分(基準点)
東京 東経139.7度 約+19分
札幌 東経141.4度 約+25分
根室(北海道) 東経145.6度 約+42分

均時差(年間でおよそ−14分〜+16分)は、場所によらず全国共通で加わります。そのため、経度によるずれと同じ向きに重なる時期は差がさらに広がり、逆向きに重なる時期は相殺されて小さくなります。たとえば12月下旬(均時差がほぼ0の時期)に生まれた場合、真太陽時と時計時刻の差は、経度による差とほぼ同じです。

なぜ真太陽時を使うと時柱が変わることがあるのですか?

四柱推命の時柱は2時間区切りです。時柱の十二支が変わるのは、真太陽時と時計時刻のずれがこの区切りの境界をまたぐ時刻に生まれた場合だけです。

たとえば、那覇で時計時刻の1時15分(丑の刻、1時〜3時)に生まれたと仮定します。例1と同じ11月3日生まれなら、経度差と均時差の合計は約−12分45秒です。真太陽時は1時15分から約13分引いた1時02分ごろなので、依然として丑の刻に収まります。しかし時計時刻が1時12分45秒より前、たとえば1時05分だったとすると、真太陽時は0時52分ごろとなり、丑の刻から子の刻(23時〜1時)へ入れ替わります。この段落の時刻はいずれも、境界をまたぐ例を示すための仮の設定であり、実在の出生記録ではありません。

このように時柱の十二支が変わるのは、経度差と均時差の合計(数十分)の範囲内に、2時間区切りの境界(1時・3時・5時…)が入っている場合に限られます。境界から離れた時刻に生まれていれば、真太陽時を使っても時柱は同じです。

日付の境界(0時前後)に近い時刻に生まれた場合は、まれに真太陽時への補正で日柱まで変わることもあります。

当サイトでは真太陽時をどう計算していますか?

当サイトの計算方式は、まず出生地のIANA タイムゾーンデータ(tzdata)で時計時刻の時差・夏時間を求めます。そのうえで次の2つを足し、真太陽時を算出しています。

  • 経度による差(経度 × 4分/度)
  • JPL DE440天文暦から計算した均時差と、UT1(天文学的な世界時)とUTC(協定世界時)の差(地球の自転の観測値にもとづく換算)

将来の閏秒の有無は、現時点では未確定です。そのため、遠い将来の日付については、計算に使う値が見直される場合があります。この制約は、当サイトの計算方式が参照する天文暦データの公開情報に明記されています。

真太陽時を選ぶべきか、時計時刻のままでよいか

真太陽時を採用するかどうかは、流派や鑑定者によって考え方が分かれるところです。時計時刻(日本標準時)をそのまま使う立場と、真太陽時に補正してから柱を決める立場が並存しています。どちらか一方が唯一の正しい方法だと断定できる状態ではありません。当サイトでは出生地の経度を入力すると真太陽時での計算も選べ、時計時刻での結果と並べて確認できます。

計算結果で読む例:補正で時柱が変わるのはどんなときですか?

1990年5月15日 9時10分・福岡県の出生を、時計時刻と真太陽時の両方で計算した例です。

項目 時計時刻 真太陽時
計算に使う時刻 9時10分00秒 8時55分23秒
年柱・月柱・日柱 庚午・辛巳・庚辰 庚午・辛巳・庚辰(同じ)
時柱 辛巳(巳の刻:9時〜11時) 庚辰(辰の刻:7時〜9時)
起運 1997年9月7日 1997年9月7日(同じ)

補正は合わせて約−14分37秒です。内訳は、経度の差(東経130.4度と135度の差)による約−18分20秒と、この日の均時差の約+3分43秒です。入力した9時10分は刻の境目の9時から10分しか離れていないため、補正後は一つ前の辰の刻に入り、時柱が辛巳から庚辰に変わります。境目から補正の幅より離れた時刻、たとえば同じ日の10時であれば、時柱は変わりません。起運が同じなのは、大運が時計の読み方ではなく、生まれた瞬間から節入りまでの実際の時間差で決まるためです。

例は架空の出生情報を当サイトの計算に入力した結果で、実在の人物ではありません。画面のどこを見ればよいかは「命式の見方を二つの例で練習:日干から大運まで読む順番」で順に追えます。

まとめ

  • 真太陽時は「経度による差」と「均時差」を時計時刻に足し引きして求めます。
  • 経度1度あたりの差は4分で、均時差は年間でおよそ−14分から+16分の範囲で変わります。
  • 日本国内でも、東経135度(明石)から離れた地点ほど、また均時差が大きい時期ほど、真太陽時と時計時刻の差は大きくなります(本記事の例では那覇で約13分、根室で約28分)。
  • この差が2時間区切りの境界をまたぐ時刻に生まれた場合だけ、四柱推命の時柱(まれに日柱)が変わります。

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出典・関連資料

  • 均時差の算出方法とJPL DE440天文暦の利用は、国立天文台の公開資料(暦計算室ウィキ「均時差」項目、2026暦要項)と、JPL DE440天文暦の論文(Park et al., 2021, The Astronomical Journal)を根拠としています。当サイトのトップページ「計算と出典」でも同じ出典を明示しています。
  • 出生地の時差・夏時間のデータはIANA タイムゾーンデータベース(tzdata 2026d、パブリックドメイン)に基づきます。
  • 真太陽時の計算式(経度による差+均時差・UT1補正)は計算方法として実装しており、詳しくは当サイトの計算方法をご覧ください。
  • 都市の経度は国土地理院公表値のおおよその代表点であり、本記事では小数点以下を概数に丸めています。