命式の見方を二つの例で練習:日干から大運まで読む順番

命式を開いたら、まず生年月日・出生時刻・出生地・時刻方式を確かめ、日柱の上段にある「日干」を探します。その字を基準に、月令・五行・通変星・強弱と用神・大運の順に見ていきましょう。二つの架空例を並べて読むと、入力条件や命式が変わったとき、各欄の値と説明がどう変わるかを確かめられます。
命式を開いた直後にどの欄から読む?
最初に出生条件を確認し、次に「日柱」の上段を見ます。「あなたの日主」と表示される字と同じで、日主と日干はここでは同じ基準を指します。下の二例はいずれも実在の人物ではありません。入力条件も含めて読み比べてください。
例A:日干・辛から読む
入力は1990年6月15日09:00、東京の座標(北緯35.6812度・東経139.7671度)、Asia/Tokyoの時計時刻、真太陽時補正なし、大運の計算区分は男性、対象年は2026年です。四柱は次のとおりです。
| 欄 | 年柱 | 月柱 | 日柱 | 時柱 |
|---|---|---|---|---|
| 天干 | 庚 | 壬 | ①辛(日干) | 癸 |
| 地支 | 午 | ②午(月支) | 亥 | 巳 |
| 天干の通変星 | 劫財 | 傷官 | 日主 | 食神 |
| 蔵干 | 丁・己 | 丁・己 | 壬・甲 | 丙・戊・庚 |
番号は読み進める順番を示します。③は「命式に表れる五行」、④は通変星と蔵干、⑤は強弱・用神の根拠、⑥は大運の期間です。番号付きの図は現行の項目名を使った練習図で、実画面のスクリーンショットではありません。日干を見つけた段階では「辛・陰の金」と記録すれば十分です。字から性格を決めつけず、計算で得た値と解釈を分けて読みます。
例B:日干・癸から読む
こちらの入力は1980年1月1日12時、東京都、真太陽時補正ありです。大運の順逆を計算する入力条件は男性です。性別を性格解釈の根拠には使いません。四柱と通変星・蔵干の表示は次のとおりです。
| 柱 | 干支 | 表の通変星 | 地支の蔵干(通変星) |
|---|---|---|---|
| 年柱 | 己未 | 七殺 | 己(七殺)、丁(偏財)、乙(食神) |
| 月柱 | 丙子 | 正財 | 癸(比肩) |
| 日柱 | 癸酉 | 比肩 | 辛(偏印) |
| 時柱 | 戊午 | 正官 | 丁(偏財)、己(七殺) |
この表の値は入力条件に対する計算出力です。生年月日だけから干支を推測したものではなく、値が合うことは性格の予測が実証されたことを意味しません。蔵干は地支の内側に配当する干で、この表は採用中の「三命通会・月律分野」方式による表示です。
例A:辛・午月から乙酉大運まで
①の辛を基準に②の月支・午を見ます。月令は生まれた季節から読む条件で、この例は夏の火です。カレンダーの6月だけで決めず、節入りによって作られた月柱を使います。
③の五行は木0・火3・土0・金2・水3です。このグラフは天干と地支本気の個数で、強さの点数ではありません。④の蔵干を開くと、亥に甲(木)、午に己(土)があります。グラフが0でも、蔵干にその五行がないとは限りません。通変星は辛との関係を読む名前です。月干の壬は傷官、時干の癸は食神。どちらも金が生む水ですが陰陽の関係が異なるため、「水が3個」を「傷官が3個」と置き換えることはできません。
⑤では、夏の月令・地支の根・他柱からの助けを合わせた強弱の判定を確認します。この例は身弱で、主な用神は土、判定体系は扶抑、補助は金です。調候欄には己・壬の組み合わせが示されます。『窮通宝鑑』の五月辛金の記述もこの組み合わせを季節の条件とともに扱います。ここでの五月は午月を指し、西暦の5月ではありません。用神という語は古典・近代の整理で意味が異なるため、表示された欄名と採用体系を合わせて読みます。
ここまでを「辛を夏の条件で読み、個数だけでなく蔵干も確認した。身弱の根拠を見て、土を主な用神とする読みを把握した」と記録できます。⑥の大運は順行で、2026年を含む期間は乙酉です。代表起運日時を基にした期間は2017年11月30日から2027年11月30日までで、出生秒による開始日時の幅もあります。大運は元の四柱を書き換えるものではなく、その期間に巡る条件として重ねます。
例B:癸・子月から大運・年運まで
日柱「癸酉」の前の一字、癸が日干です。日柱全体と日干を分けて確認します。日干・癸の五行は水、陰陽は陰です。通変星はこの日干を基準に並び、たとえば時柱の天干・戊は癸から見た関係として「正官」と表示されます。ここで読めるのは計算上の分類名で、職業や性格を決めるものではありません。
月柱は丙子で、地支は子です。分析詳細には「月令:冬・水/日主は旺」と表示されます。月支から季節条件を読み、そのうえで四柱全体の干支や通根を見ます。子の蔵干は癸で、日干癸から見た通変星は比肩です。柱と地支を取り違えず、どこに付いた値かを確かめます。
四柱の天干では、月柱の丙は正財、時柱の戊は正官です。いずれも日干癸から見た関係名です。星の名称だけから出来事や性格を決めつけません。読み方を練習する場面として、会議で担当を決めるとき、役割名だけで判断せず実際に何を任され本人がどう動いたかを別に確かめる、と記録できます。これは説明のための架空の場面で、この命式の持ち主に起きた事実ではありません。
強弱欄は身強です。月令だけで決めるのではなく、得令・得地・得勢など複数の要素を合わせた判定です。「身強なら良い」「身弱なら悪い」という順位づけではありません。用神欄の判定方式は「調候+扶抑」、主用神は火(丙・正財)、補助は土(己・七殺)、調候は火(丙・正財)です。これはこの入力条件での表示です。方式欄は命式条件に応じて変わるため、主用神・補助・調候を分けて確認します。用神は「好きな五行」や将来の成功保証を表す言葉ではありません。
この入力条件での大運は、2018年2月20日から2028年2月20日直前まで壬申、通変星は劫財です。年運欄の2027年は、立春から翌年の立春まで丁未として扱われ、癸から見た通変星は偏財と表示されます。区間は2027年2月4日10時46分(日本時間)から2028年2月4日16時31分直前までです。これは時間区分と干支・関係を読むための表示で、「偏財だから必ず大きな収入がある」「大運が変わるから成功する」といった予告には置き換えません。実際の希望や状況、選択肢と照らして使います。
二例を通して、日干→月支・季節→五行と蔵干→通変星→強弱・用神の方式と根拠→大運・年運の期間、の順で欄をつなげられます。表の個数や星名だけで結論を出さず、どの入力条件の値かを一緒に記録してください。

練習の答え合わせ
例Aの日干は辛、月支は午です。五行グラフの木0は蔵干の甲がないという意味ではありません。2026年を含む大運は乙酉です。例Bの日干は癸、月支は子で、2027年の年運表示は丁未です。各値をそれぞれの表と照合してみてください。
2026年10月3日に公開サイトで、同日09:00・東京都・時計時刻の架空例を表示した命式表です。東京都の選択肢の座標は例Aの計算条件と異なりますが、時計時刻方式で四柱と個数が一致することを確認しました。番号付きの図と公開サイトの実画面を区別して掲載しています。

出生時刻が不明な例ではどこで判断を止める?
例Aと同じ日付で時刻を「不明」にすると、庚午・壬午・辛亥の三柱を表示できましたが、時柱は未確定、大運は保留でした。五行の合計は8個から6個へ減ります。表示されない時柱の2個を0と確定したり、任意に正午を入れて実際の時柱としたりしません。
この例の強弱には「時柱不明」の保留理由が付きます。三柱に基づく説明は読めますが、完全な命式の結論として固定しないのが止めどころです。時柱に根や印が現れれば強弱の材料が変わり、用神や時期の判断にも影響し得ます。
節入り・立春・換日の境界を含む日では、年柱・月柱・日柱にも仮定や別候補が付く場合があります。「時刻不明なら日柱までは必ず確定」と一般化せず、画面の「時刻不明」「未確定」「仮定」「別候補」を読みます。仮定された日干なら、通変星の読みも条件付きです。出生時刻が分からないときは不明のまま進め、時柱や大運、保留の表示を確かめてください。
自分の命式で練習するときは、入力条件、日干、月支、個数の方式、用神の体系、大運の期間を一行ずつ記録しましょう。分からない項目は空欄のまま残せます。時刻が後で分かったとき、どこを読み直すべきか見つけやすくなります。
出典と読みの範囲
二例は実在人物ではない架空例です。掲載値は各例の入力条件に基づく保存済み計算結果で、計算方式や未確定項目の表示が異なる場合はその注記を残して読みます。占術の規則と個人の行動・生活への説明は分けて扱い、将来を保証するものではありません。医療・法律・投資などの専門判断の代わりにはなりません。
- 子平真詮・論十干得時不旺失時不弱(沈孝瞻原文、東里書齋の電子転写)。月令と根を合わせる説明を参照。
- 子平真詮評註・論用神成敗救應。沈孝瞻の原文を参照し、徐樂吾の評註と区別しています。
- 窮通宝鑑・五行総論/五月辛金(維基文庫の転写、版2294674)。季節と必要な干の説明を参照。
- 当サイトの採用方式と出典。占術の規則と、個人の行動や生活への説明を分けて扱います。


