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四柱推命に流派の違いはある? 蔵干表を例に確認する

学び方・鑑定
一点から分かれる三本の筆の道の、流派の違いをイメージした挿絵

四柱推命には単一の正統流派があるわけではなく、特に地支の中に隠れた十干(蔵干)をどの日数配分で扱うかという部分で、参照する資料によって数値が異なります。この記事では、当サイトが既定として採用する三命通会系の表と、日本の実務で広く使われる阿部泰山式の表を例に、具体的にどこが違うのかを確認します。

流派の話に入る前に四柱推命のしくみ全体を確かめたい方は、「四柱推命とは?」の解説をご覧ください。

「流派」とは、四柱推命の何が違うことを指しますか?

四柱推命は長い歴史の中で、複数の古典や実務家によって、少しずつ異なる形で受け継がれてきました。体系の一部では、参照する資料によって数値や判定基準が異なることがあります。格局の判定方法、用神の優先順位、本記事で扱う蔵干(地支の中に隠れた十干)の日数配分などがその例です。こうした違いを「流派の違い」と呼びます。

蔵干の日数配分とは何ですか?

四柱推命では、各柱の地支の内側に複数の十干が隠れているとみます。これが蔵干です。特に月支(生まれ月の地支)には、月の中のどの時期にどの十干が強く働くかを、日数の配分で細かく定めた表があり、月律分野表と呼ばれます。この日数配分の数値は、参照する古典や実務書によって異なることが知られています。

具体的にどれくらい数値が違いますか?

寅月の蔵干日数配分の比較(三命通会と阿部泰山式)
寅月(立春から啓蟄の前まで。2月上旬〜3月上旬)の蔵干の日数配分を、当サイトの既定である三命通会(戊5日・丙5日・甲20日)と、阿部泰山式(戊7日・丙7日・甲16日)で比較する。

既定として採用している三命通会(明・万民英)の月律分野表を、日本の実務で広く使われる阿部泰山式の表と比べます。寅月(立春から啓蟄の前まで。2月上旬〜3月上旬)を例にとると、日数配分は次のように異なります。

資料 寅月の蔵干の日数配分
三命通会(当サイトの既定) 戊5日・丙5日・甲20日
阿部泰山式 戊7日・丙7日・甲16日

どちらの表にも戊・丙・甲という同じ3つの十干が含まれ、違うのは日数の配分です。生まれた日が前半(戊・丙の期間)と後半(甲の期間)のどちらに入るかの境目は、資料によって数日ずれることがあります。このずれが、「同じ生年月日なのに、参照する資料によって月支の代表する十干(元命)が変わる」という違いを生みます。

阿部泰山式は、どんな資料に由来しますか?

阿部泰山式は、日本の四柱推命で用いられる蔵干の日数配分の一つです。三命通会の表と同じ月もあれば異なる月もあるため、方式を比べるときは、月ごとの配分と生まれた時期を合わせて見ます。

高木乗式・武田考玄式とはどんな流派ですか?

日本の四柱推命には、蔵干を採る表や、月支以外の柱にも日数配分を当てはめるかなどが異なる方式があります。当サイトでは、司令干を求める日数配分は月支に適用します。流派名だけで同じ計算になると考えず、実際の表や設定を確かめてください。

流派によって数値が違うと、命式の結果も変わってしまうのですか?

蔵干の日数配分の違いが実際の結果に影響するのは、生まれた日が境目の期間にあたる場合に限られます。ここでいう境目とは、資料によって代表する十干(元命)が変わる期間です。境目から離れた時期の生まれなら、どちらの資料を使っても代表になる十干は同じです。当サイトでは、既定(三命通会系)で計算した結果がこの期間にあたるとき、その旨を注記して示します。

計算結果で読む例:方式が違うと、司令する蔵干はどこで変わりますか?

月支の蔵干のうち、生まれた日に司令している干を、3つの方式で比べた例です。当サイトが採用しているのは三命通会の月律分野です。

項目 例1 例2 例3
入力(いずれも東京都) 1990年5月15日 8時30分 1990年6月8日 12時00分 1991年1月4日 12時00分
月支と節入りからの日数 巳・10日目 午・3日目 子・28日目
三命通会の月律分野(当サイト) 庚(中気) 丙(余気) 癸(本気)
阿部泰山式 庚(中気) 丙(余気) 癸(本気)
本気だけを使う方式 丙(本気) 丁(本気) 癸(本気)

この3例では、三命通会の月律分野と阿部泰山式の結果は同じです。日数配分の数値が違っても、生まれた日が配分の境目から離れていれば、司令する干は変わりません。この3例で差が出たのは、余気や中気が司令している時期に、本気だけを使う方式と比べた場合です。例1は庚と丙、例2は丙と丁に分かれ、月の終わりに近い例3は3方式とも癸です。自分の命式で方式による違いを確かめるときは、節入りから何日目の生まれかを先に見ます。

例は架空の出生情報を当サイトの計算に入力した結果で、実在の人物ではありません。画面のどこを見ればよいかは「命式の見方を二つの例で練習:日干から大運まで読む順番」で順に追えます。

蔵干の日数配分が変わると、月支の司令干から求める元命も変わり得ます。呼び名と計算の手順を分けて確認してください。

まとめ

  • 四柱推命には単一の正統流派があるわけではありません。蔵干の日数配分など一部の層では、参照する資料によって数値が異なります。
  • 寅月の日数配分を比べると、当サイトの既定(三命通会)は「戊5・丙5・甲20」、日本で広く使われる阿部泰山式は「戊7・丙7・甲16」です。
  • 資料ごとに表や説明が異なります。比較するときは蔵干の配分と適用範囲をそろえてください。
  • 人物の生没年や詳しい経歴は、確認の取れた情報に基づいて示せる状態にないため、本記事では扱っていません。

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出典・関連資料

  • 三命通会(明・万民英)の月律分野表は、当サイトが一次資料として全文を確認した資料に基づきます。
  • 阿部泰山式の月律分野表は、複数の現代の実務書で「阿部泰山式」として引用されている数値に基づき、淵海子平大全(江戸末期の写本、国立国会図書館所蔵)の一部の月とも一致を確認しています。ただし全月の一致は確認できていません。
  • 武田考玄式については、「未来予知学としての四柱推命入門」という著作名で言及される資料があり、月支の配分は阿部泰山式とほぼ同一とされますが、当サイトは原本を直接確認できておらず、単一の資料経由の情報です。
  • 蔵干の日数配分と流派による違いは当サイトの計算方法で確認できます。