納音なっちん
意味と読み方
納音は、干支の組み合わせに「海中金」「炉中火」などの名前を付け、別の角度から木・火・土・金・水に分類する方法です。六十干支を二つずつ組にするため、名前は三十種類あります。
たとえば甲子と乙丑は、どちらも海中金です。甲そのものは木の記号でも、組み合わせに付ける納音は金になります。文字ごとの五行とは違う分類なので、片方が間違っているわけではありません。古い命理の読みや、一部の神殺を調べるときに登場します。
詳しく知る:成立条件・原典・解釈
意味
納音(なっちん)は、六十干支それぞれに割り当てられた、五行とは別の五行分類です。二つの干支を一組として、海中金・炉中火・大林木など、具体的なイメージを持つ30種類の名前が付けられています。
原典での記述
昔者黄帝将甲子分軽重而配成六十、号曰花甲子
三命通会の論納音取象は、この一節から始まります。子丑(子・丑)の位を陰陽が兆し始める胎児の時期に、寅卯を成長期に、辰巳を働き盛りの30〜40代に、午未を50〜60代に、申酉を収穫を終えた時期に、戌亥を休息の時期にたとえるなど、六十干支を人の一生になぞらえて納音の意味を説く構成を持ちます。
命式での見方
納音は、日柱や年柱の干支から求められ、命式の補助的な性質(生まれ持った気質のたとえ)として読まれることがあります。当サイトでは、格局・用神の判定の骨格には用いず、読み物としての補足情報にとどめます。
成り立ちと歴史
納音の由来には諸説がありますが、中国古代の音楽理論(律呂)と六十干支を対応させる思想が背景にあるとされ、天文・暦法・音律を統一的に理解しようとした古代中国の世界観を反映しています。
流派による違い
納音を格局・用神と同じ重みで扱う流派もあれば、あくまで補助的な読み物として扱う流派もあり、重視の度合いには幅があります。
具体例(2つ目)
たとえば甲子・乙丑の組は「海中金」、丙寅・丁卯の組は「炉中火」というように、二つの干支を一組として30種類の納音が割り当てられます。日柱が甲子であれば、その人の納音は「海中金」として読み物的に紹介されることがあります。
よくある誤解
納音の五行(例:海中金の「金」)を、命式の格局・用神で使う五行の力関係とそのまま同一視してしまう誤解がありますが、納音は独立した分類体系であり、通常の五行の相生相剋の計算には組み込みません。当サイトでも両者を混同しないよう分けて扱っています。
本サイトでの扱い
当サイトでは納音を分析の骨格には用いず、命式の背景情報・読み物としての補足に位置づけています。
流派による違いと、本サイトでの扱い
納音を基準にした神殺の細分(截路空亡馬・大敗馬など)は、当サイトでは一次資料の網羅的な確認ができていないため採用していない。
納音の起源の説明は、三命通会(黄帝が六十甲子を軽重で分けたとする)と淵海子平(大撓氏が甲子を作り、納音を鬼谷子が定めたとする)で異なります。いずれも後世の伝承で、史実としては確かめられません。
出典・参考文献
- 三命通會(明・万民英) 巻一 論納音取象
- 三命通会(明・万民英)
- 三命通会 論納音取象
- 淵海子平「論六十花甲子納音並註解」