戊つちのえ
意味と読み方
戊は、山や広い大地にたとえられる、陽の土の記号です。十干の五番目で、ものを支える土の比喩として古典に現れます。
たとえば日干が戊なら、土を生む火、土に根を張る木などの配置を見ます。大地という比喩から、頑固・安定といった性格を決めるものではありません。
詳しく知る:成立条件・原典・解釈
意味
戊(つちのえ)は十干(甲乙丙丁戊己庚辛壬癸)の1つです。四柱推命では年干・月干・日干・時干のいずれかに現れる基本の文字で、五行は土、陰陽は陽(兄)に配されます。戊は十干の5番目で、五行は土、陰陽は陽にあたります。十干のうち土に配される戊・己の最初の字です。
五行と陰陽への配当
前漢の『淮南子』天文訓には「甲乙寅卯、木也。丙丁巳午、火也。戊己四季、土也。庚辛申酉、金也。壬癸亥子、水也」とあり、十干を五行に配当する早い時期の記述として確認できます。陰陽については、隋代の『五行大義』が五行ごとに十干を兄(陽)・弟(陰)の対として説明しており、戊は土の陽(兄)にあたります。
命式での見方
戊が四柱の天干に出ている場合、日干との五行・陰陽の関係(生む・生まれる・剋す・剋される・同じ)によって通変星が決まります。日干そのものが戊であれば、戊は比肩・劫財の基準そのものになります。
読み方
戊の訓読みは「つちのえ」です。日本の暦では、五行の兄(え)・弟(と)を「え」「と」と読み、土の兄(え)として五行名の後ろに続けて「つちのえ」と読みます。中国語の音読みでは戊は十干のうち5番目にあたります。
本サイトでの扱い
当サイトでは戊を含む十干すべてについて、五行・陰陽の配当を通変星・十二運・蔵干の計算に共通して用います。干支の組み合わせ(六十干支)の計算基盤として、他の九干と同じ規則で扱います。
流派による違いと、本サイトでの扱い
十干の字義は『漢書』など、五行や陰陽の対応は『淮南子』『五行大義』などに基づく伝統的な説明です。字の意味から本人の性格や運命がそのまま決まるわけではありません。
出典・参考文献
- 漢書(後漢・班固) 巻二十一上 律暦志第一上
- 史記(前漢・司馬遷) 巻二十五 律書
- 淮南子(前漢・劉安) 巻三 天文訓
- 五行大義(隋・蕭吉) 巻第一 論支干
- 三命通會/卷二「論天干陰陽生死」 第1節