蔵干ぞうかん
意味と読み方
蔵干は、十二支の一文字の「内側に含まれる働き」を、甲・乙などの天干で表したものです。命式の下段の文字には、表に見えている一文字だけでなく、複数の性質が含まれると考えます。
たとえば寅には、木の甲のほかに、火の丙や土の戊を含める表があります。主な成分と、季節の移り変わりに残る成分を分けて読むイメージです。どの成分を重く見るか、月の何日目まで働くかは方式によって異なります。
詳しく知る:成立条件・原典・解釈
意味
蔵干(ぞうかん)は、地支(十二支)の内部に隠れて含まれているとされる天干のことです。地支一つにつき、多いもので3つの干(本気・中気・余気)が蔵されているとされます。
原典での記述
三命通会の論人元司事には、月ごとに蔵干のどの干が節入りからの経過日数に応じて力を持つか(司令干)を示す表が伝わっています。この方式は「月律分野」と呼ばれ、月令・提綱思想を具体化したものとされます。
命式での見方
年支・日支・時支の蔵干は「含まれる干の集合」として扱い、月支の蔵干だけは節入りからの経過日数によって司令干を一つ定めます。この司令干が天干に透っていれば、格局判定における取格の候補になります。
成り立ちと歴史
蔵干の日数配分は、三命通会系(7/23日、5/5/20日、7/5/18日など)と阿部泰山式(10/20日、7/7/16日、9/3/18日など)で数値が異なり、どちらが原典(淵海子平の分野表)に忠実かは現在も確認が続いている論点です。
流派による違い
「酉月=庚」とする一部の解説は、月律分野でいう余気(初めの数日)を指しているにすぎず、本気(辛)と矛盾するものではありません。日本の実務書の多くは阿部泰山式を採用しますが、その一次典拠(淵海子平原文)への遡及は途上です。
具体例(2つ目)
たとえば月支が巳(本気:丙、中気:庚、余気:戊)の命式で、節入りから10日以内に生まれていれば、司令干は余気の戊になることがあります。この場合、格局の候補は丙(火)ではなく戊(土)を中心に検討することになります。
よくある誤解
蔵干を「地支に配属された固定の一つの干」と誤解し、月支ならどの日に生まれても同じ司令干になると考えられがちですが、実際には節入りからの経過日数によって司令干が月のなかで変化するため、同じ月支でも生まれた日によって格局の出発点が異なることがあります。
本サイトでの扱い
当サイトでは蔵干を三命通会の月律分野方式を既定として判定し、両表で司令干が異なる帯については結果にその旨を注記します。
流派による違いと、本サイトでの扱い
蔵干の日数配分は流派によって異なります。当サイトは三命通会の月律分野を用い、月支と節入りからの経過日数に応じて司令干を求めます。
出典・参考文献
- 三命通会(明・万民英) 巻二 論人元司事
- 三命通會/卷二「論人元司事」 第6節
- 三命通会「論人元司事」(原文再確認・全12月表)